食事苑京阪様

3階建ての店舗内は1階のテーブル席に100名、2階と3階にある和室に30名、洋室に100名が収容できる。ミーティングルーム、パーティールーム、純和室の桂月の間など、大小様々なシーンに合わせたおもてなしが可能だ。電力使用量のピークは夏、営業時間中のピークは11:30~14:00と、18:00~20:00までと来客のピークと重なる。来客が多いときと少ないとき、開店前と閉店後にいかにして省エネ活動を行うかが課題となる。同店は導入後、契約電力12kW削減、電気使用量6.3%の削減に成功した。エコリーダーとなって省エネ活動を推進した店長の河合一充氏にお話を伺った。

ERIAによる省エネ活動の真価は「行動と意識の変化」に表れる
電気の見える化によるロードカーブの把握

「SMARTMETER」(スマートメーター)ERIA(※以下、ERIA)を導入したのは2008年6月。導入時に日本テクノによる勉強会が開催され、省エネ活動やデマンドに関する知識は従業員全体に浸透した。「電力使用の傾向をロードカーブで確認できたことが大きい」と河合氏が話すように、来客ピークがそのまま電力使用ピークとして表れた。デマンド閲覧サービスで見られるロードカーブを確認すると、利用客が多く来店する11:30~14:00までと、平日19:00~21:00、土日18:00~20:00にピークを迎える。11:30にすべての空調を一斉に点けていたところを、5分おきに徐々に電源を入れるだけでもデマンドを抑える効果があった。夏は年に1~2回、1階・2階に加えて3階まで使うことがあり、必ず警報が鳴る。その場合は、調理場の空調を切るしか方法がないため暑いのを少しだけ辛抱し電源を切る。そして、各フロアでは、4箇所ある空調スイッチをお客様の状況に合わせて、従業員のその場の判断で設定温度調整を行う。「フロアは満席になると密集率が高くなり、室温が上昇するため、その場の判断で調整をさせています。」と河合氏は従業員を信頼している。

行動と意識の変化が省エネ活動を支える

デマンド管理以外は、開店前と閉店後、そして14:00~16:00のアイドルタイムに、いかにして電気使用のムダを削減するかにあった。また、ERIAによる省エネ活動の真価は、「警報による行動の変化と意識の変化にある」と河合氏は話す。「省エネ活動といっても本当に細かなところばかりですよ」と謙遜するが、店内の細部にまで目を光らせる。ポット、コーヒーメーカー、照明、トイレの便座、エアタオル、…など、どれも多くの電力を消費するものではないが着実に削減実績として反映されている。「10:00~11:00までは清掃時間ですが、そのときも空調を一切使わずに、夏は汗をかきながらやっています。冬はホットカーペットのスイッチをテーブルの下に設置し、入り切りをしやすくしました。14:00を迎えてお客様が徐々に引き始めると、周囲の状況を確認しながら少しずつ照明や空調、ホットカーペットを切っていきます。その間にいらっしゃったお客様も照明の点いているところ、空調の効いているところにご案内します」すべては意識の変化による省エネの積み重ねがもたらした結果だ。

「見える化」がもたらす相乗効果

照明に関してはフロントで一括管理できるので、お客様の入りにあわせてつければ良い。14:00~夕方までは必要のないところは、点灯しない。前日の使用電力と比較して、使用状況が%表示されることで気づきとなり、使い方にも変化が現れる。「ERIAは厨房の入り口で一番目立つところに設置しているため、常に見られているという感覚があり、それが程よい緊張感となります。導入当初は注意を促す回数も多くありましたが、今ではだいぶ少なくなっています。省エネが当たり前になっているということでしょうか。家庭で過ごしているのと同じような感覚で職場でも省エネ活動をするようになり、『電気の見える化」がモラル向上に役立っています」空調の設定温度は明確にしていないが、今ではお客様の様子を見ながら、調整している。臨機応変に快適で過ごしやすい室温を見極めながら、入り具合に合わせた空調の温度調節をするようになった。「行動の変化と意識の変化」が定着してきた証拠だろう。

店舗運営における今後の課題

ERIAが導入されて2年が経過し、導入前と比較して契約電力12kW削減、使用量6.3%削減、河合氏がエコリーダーとなって推進された省エネ活動はひとつの成果を示した。次の課題を伺う。「設置している照明の種類が複数あり、在庫として抱えなければならないため、非効率です。老朽化した照明を同タイプのLEDに変えるという計画を立てています。同タイプのものを大量に発注すれば、購入コストの削減にもつながります」また、飲食業では、ゴミの分別・廃棄報告も課題となっている。京都市では2008年から、残飯、空き瓶、空き缶、ダンボール、新聞紙、コピー用紙など、年間どれくらい消費しているか、そのうち何%を廃棄して、何%をリサイクルしているか、数値化して記録することが義務付けられている。そして、いよいよ2010年6月より、記録されたデータとともに、削減実績を出した数値を提出しなければならない。経営者としての悩ましい課題ではあるが、それも「電気の見える化」で培った管理体制があれば解決できると河合氏は力強く答えてくれた。

井上産業株式会社 食事苑京阪様
【所在地】 京都市伏見区下鳥羽平塚町134番地
【TEL】 075-601-5194
【事業内容】 和食レストラン経営
【従業員数】 20名(パート・アルバイト含む) ※2010年4月
トップへ戻る
<このページを閉じる>